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「ルーアンの復讐」拝受 - hazanyosi
2026/08/28 (Fri) 21:01:36
井本元義さんから単行本「ルーアンの復讐」をいただきました。ご承知のように「ルーアンの復讐」は第19回のまほろば賞を受賞した作品です。同人誌「海」でも読みましたが「文芸思潮」では更に書き加えて見事な作品に仕上がって感動しました。井本さんのこれまでの作品では最高ですね。単行本には「ルーアンの復讐」の他には「暴走の海昏ければ」と「千の夕焼け」(いずれも「海」に初出)と「菜の花」(文芸福岡)が掲載されています。「千の夕焼け」もいいですね。「菜の花」は井本さんが「新潮新人賞候補」になった後のことを書かれています。井本さんのその頃の活動情況を知ることができます。仕事の関係から彼も一時書くことを中断していたのですよね。小生もそうでしたが仕事と書きことはなかなか両立しませんよね。特に彼は医療関係の会社の社長でしたから小生のような普通のサラリーマンとは少しちがいますよね。70歳過ぎてから再び筆を執ったらしいですからよく頑張ったっですね。特に文章がいいですね。中断していたとは思えないくらい重く光っています。井本作品には会話が少ないですよね。近作ではまったくない作品もありました。会話を少し取り入れればもっと柔らかくなるような気がします(文章がやや硬いかな?)。でも、丸山健二は丸山健二文学賞を募集した時、会話の入った作品はそこで落選だ、と書いていたことがありましたから会話を求めるのもよしあしかな? 小生は会話があった方がいいと思っていますが、皆さんのご意見はどうなのかなあ・・・・?
(文芸社発行 定価1,800円+消費税)
「照葉樹]」拝受 - hazanyosi
2026/08/26 (Wed) 10:21:24
「照葉樹」第二期30号を拝受しました。通巻41号、これが最終号だそうです。最終号とは寂しいですね。主宰・水木怜さんの後を継ぐ人もいないのでしょうか?若い人が同人誌離れ、というか文学離れをしていますよね。まさに老人誌となり下がった経緯がこういうところにも表れていますよね。これはどこでも同じことが言えるのではないですか。今後、同人誌はこういう運命を辿ると予想されます。この近辺でも長い歴史をもつ「長崎文学」や「佐賀文学」がそうでしたよね。「九州作家」もあるようなないような・・・。もちろん経費の問題もあるでしょう。価値観の違いもあるでしょう。残念ですね。小生が選考委員をさせられていた頃、水木さんは第二回北九州文学協会文学賞を受賞されましたが、それ以来の知り合いで、いつも欠かさず「照葉樹」を送って下さっていました。彼女はピアノの演奏者でもありまして、福岡ドーム(当時)などで演奏されたことがあり、バイタリティーに富んだ人のように見受けましたが、年齢には勝てないですよね。小生と同じ年代の方です。長い間、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。ゆっくり養生なさって下さい。

清張を読む - hazanyosi
2026/08/16 (Sun) 09:34:02
古本屋(もったいない本舗)から取り寄せた松本清張さんの文庫本をずっと読みました。清張さん、すごいですね。そして博識。純文学、エンター(推理小説)、歴史小説、考古学、政治・・・これほど幅広く書いた人は他にいないのでは?どれも人間を捉えていても白いですね。改めて清張さんの凄さを実感しています。今「紙碑」「途上」「夏島」を読み終えて「信号」に読む進んだところです。特に「信号」は同人雑誌の仲間が描かれるところです。ここでもしっかりと人間を凝視しています。清張さん読み出したらやめられません(笑)。文庫本はインターネットで購入すれば安く手に入るので助かります。この辺の古本屋で買っても大した違いはありませんもんね。インターネットだと本当に便利です。新刊を買うこともなくなったし、現状に満足しています。
さて次の作品、たぶん小生にとっては最後の挑戦になることでしょうが、地元のある賞に応募してみます。これまでは余り興味も湧かなかったのですが、最後に落ち着くのはやはり地元ですかね。八幡は第二の故郷ですから八幡にちなんだものを書き上げています。今月末が締め切りなので急いでいます。出来栄えは何とも言えません。小生の思い出の中の一篇です。
そろそろ小生も「筆じまい」の時期になりました、
第20回「まほろば賞」 - hazanyosi
2026/08/14 (Fri) 09:55:12
第20回の「まほろば賞」が決定したそうです。どの作品が受賞したか分かりませんが、「転炉爆発」(波佐間義之作)は「五十嵐勉賞」に内定の通知がありました。「まほろば賞」には届かなかったということですね。残念ですがもう少し推敲が必要だったと思いますとは筆者談。三回候補になって三回失敗。それが人生と心得ておきましょう。神よ仏よ、後一回だけチャンスをくれたまえ! 四度目の正直を目指します(笑)。

※4度候補になると「まほろば作家賞」というのがもらえるそうです。教えてくれる人がありました。ありがとうございます。
「オモニの壺」を読む - hazanyosi
2026/07/22 (Wed) 20:51:37
病院からの帰りに図書館に寄ったら、図書館で無用になった本を無料で譲渡していました。何回かもらったことがありましたが、今回はたまたま立ち寄った日に行なわれていたのです。もうほとんど小説は捌けていたしたが、残った本のなかから「オモニの壺」と「ねむい幸福」(有吉玉青)の二冊をもらって来ました。で早速「オモニの壺」を読んだわけです。在日韓国人の成充植(ソン・イュン・シク)という作家が書いたものです。この方は1941年に渡日したというから小生が生まれる前に韓国からやって来た在日の方で、明治大学を卒業されています。かなり年輩の方でしょうね。文章もしっかりしているし、純文学ですね。在日作家といえば鷺沢萌という方がいましたけど、この方も優れた作品を遺していますよね。彼女は40何歳かで自死しましたけど、文章表現は大いに参考になりましたが、「オモニの壺」の作者の文章も参考にさせてもらいたいくらいです。作品はあと三編ありますのでこれからまた読みます。タダでもらったので得をした気持ちで読めます。買いたいと思っても手に入らない書物ですし(1985年の出版)、売れたような形跡もないのでどこの古本屋を探してもないでしょうよ。
「文芸思潮」 - hazanyosi
2026/07/02 (Thu) 10:09:17
「文芸思潮」の100号が発売になりました。100号といえば一つの節目ですね。年4回発行。ひと頃は「ウエイブ」も挟んで年6回発行されていましたが、「ウエイブ」は中止になり現在は本誌のみです。定期購読で年間5000円(送料込み)は安いですね。これはお得です。そして投稿参加もできます。銀華文学賞、まほろば賞、文芸思潮新人賞(以上小説)、エッセイ賞、文芸思潮詩賞、文芸思潮短歌賞等の募集も行われ、賞金もあります。また同人雑誌評も数人で丁寧に行われています。素晴らしいです。同人雑誌に在籍しなくてもここで個人的に修行できますね。読者層も「文學界」や「新潮」よりも多いのではないですか。もちろん同人雑誌の応援もしてくれています。全国同人雑誌協会もここにある訳ですから、まさに同人誌の本山と言っても過言ではないと思います。
さて、100号では第20回の「まほろば賞」候補の6編が掲載されています。これは全国の同人雑誌から選ばれた優秀作が毎年にノミネートされています。読者賞も設けられていまして、各自が候補作を読んで優劣を投票できるようにもなっています。今号では波佐間義之の「転炉爆発」〈絵合せ)、えひらかんじの「カブール国際空港」(私人)、若林明日香の「光をもとめて」(芸文未満)、多胡吉郎の「ピアニスト・ケンⅢ」(火山地帯)、山口馨の「ゆくえ」(出版本)、中川一之の「プノンペンの黄昏」(たまゆら)の六編が転載されています。混戦模様でしょうね。誰でも好みというものがありますから、最終的には好みで決まるのではないですか? 7月下旬に当選作が発表になるそうです。選考委員は芥川賞作家の三田誠宏さんら四人です。表彰式は10月18日の全国同人雑誌会議九州大会(ホテル日航福岡)で行われるそうです。誰でも参加できるそうです。「まほろば賞」と同時に全国「同人雑誌大賞」も表彰されます。さて・・・?
「マチネの終わりに」を読む - hazanyosi
2026/06/28 (Sun) 20:59:29
平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」を古本屋から買って読みました。恋愛小説でした。小生は恋愛小説は余り興味がないです。社会の問題小説かと勘違いしていましたが、平野さんは好きなタイプの作家なので最後まで読み終えました。
ギターリストの蒔野聡史とジャーナリスト小峰洋子の中年の男女の恋物語。これは事実をもとにして書いています。彼は序文で「人間には、虚構のお陰で書かずに済まされる秘密がある一方で、虚構をまとわせることでしか書けない秘密もある。私は現実の二人を守りつつ、その感情生活については、むしろ架空の人物として、憚りなく筆を勧めたかった」と。なるほどね。結局二人は悲恋で終るのですが、二つの結びつきは友情であったのか、愛であったのか、二人が惹かれ会った理由を個々に聞いて納得したそです。が、読者の小生は納得しませんね。二人はそれぞれ別の相手と結婚することになる訳ですが、どちらかと言えば愛でしょうが、それも性愛なのではないですか?少なくとも純愛でもなし、男女の友情にしては少しどぎついですね(笑)。二人の結び付きを邪魔する人も登場する人物も出て来るのですよね。この辺りがいかにも作り事めくのです。まあ読み物としては面白いですけど、小生には何かもう一つ食い足りない気がしました。これは2016年に毎日新聞社から出版された作品で、15刷まで出版されています。そんなに売れたのか、後でびっくりしましたが、むか~し原田康子さんの「挽歌」ってありましたよね。高校生の頃読んだのですが、あの類の恋愛(あるいは悲恋)小説ですね。個人的には平野啓一郎さんは好きなタイプの作家です。
「海」拝受 - hazanyosi
2026/06/24 (Wed) 21:29:44
「海」第103号を拝受しました。小説は力作揃いですね。井本元義さんの「未成年無聊」は前回作も含めて重量感のある作品です。三島由紀夫が自刃するところが背景にありますが、昭和45年頃が舞台でしょうか。未成年の無聊ぶりがよく描かれています。まったく会話がないのは気になりますが、説明文だけで押し通すというそういう書き方もありますよね。でも読む方は会話があった方がいいと思いますが、いかがなものでしょう?
城戸祐介君は「海」入ったのですね。第七期「九州文学」では若手の書き手でしたが、「海」今号の「線と線」も良い作品です。「線」とは放射線のことですよね。原発問題を扱った作品です。が、私たちが安心して受けている病院でのCTスキャンやX線からも相当量の線量を受けているのですよね。作品では原発の線量よりも病院で受ける線量の方が問題であったみたいな彼独特のシニカルな作品で面白かったです。小生もCTやX線の検査を何回受けたでしょうか。自身には感じないけど相当放射能を浴びているのですね。この作者、まだまだ伸びしろがありますよ。「線と線」も文芸時評で話題になるでしょう。問題作です。


「季刊午前」拝受 - hazanyosi
2026/06/20 (Sat) 09:58:42
「季刊午前」第67号を拝受しました。今号は「あの映画から、こんな作品をつくりました」という特別企画がありました。どういう意味でしょうかねえ。小生にはなぜこんな企画がなされたのかさっぱり理解できません。もともと映画と小説は同じ芸術であっても違うじゃないですか。たとえば原作通りに映画が作れないのもスタイルが違うからですよね。「原作の方が良かった」とか「映画では小説の核心の部分がカットされていた」とかよく耳にしますよね。小生は映画から小説のヒントを得るなんて考えたこともありません。映画は映画、小説は小説という考えですから、言い方は悪いのですがこの企画、ナンセンスとしか言い様がありません。宮中の蹴鞠のようなアソビなら分かりますが、偏見のようですが興味ありませんでした。
それにしても西田宣子さん、どうしたのでしょう?彼女は「季刊午前」の常連の書き手ですよね。前号も名前がありませんでした。小生が在籍していた頃から常にトップクラスで発表しておられたのですよ。「文學界」の同人誌推薦作にも確か三回ほど掲載されていましたよね。この辺では芥川賞に最も近い同人誌作家ですよ。「まほろば賞」候補にも数年前にノミネートされたこともありました。「季刊文科」の小説集の出版本で小生の拙作も共著させていただいたこともありました。体調悪いのかな? まだ80歳にはならないと思いますが、彼女の名前がないことは小生にとっても寂しいことです。
「魂込め」読む - hazanyosi
2026/06/13 (Sat) 08:47:01
目取真俊さんの「魂込め」を読みました。「魂込め」と書いて「まぶいぐみ」と読むのだっそうですね。沖縄の言葉は外国語みたい。この作品集を読むのは二回目かな?目取真俊さんは「水滴」で第27回の九州芸術祭の最優秀賞になり、同作品で芥川賞になったですよね。「水滴」はまさに芸術品だったですよね。先の戦線で犠牲になった沖縄ならではの作品でした。この「魂込め」でも「軍鶏」という短編があるのですが、これもいいですね。少年と家族、そして父親の闘鶏仲間の関係が少年の純粋な目を通して瑞々しいタッチで描かれています。闘鶏は小生も子供の頃、田舎で見たことがありますが、まさかカネをかけてやらせていたとは思いませんでした。勝負に負けた軍鶏はその場で殺されて仲間たちの口の中に入るのですよね。確か小生が体験した田舎の闘鶏でもそのようにしていたように覚えています。少年がせっかく愛情もって育てた軍鶏がそういう扱いをされるのはたまらないですよね。その軍鶏には「アカ」という名前が付けられるのですが、この「アカ」がまた強いのですよね。それで地区の暴力団の里原という男からその軍鶏(沖縄ではタウチ―というのだそうです)を譲れと言ってくるのですが、少年は拒否するのですね。ところが父親は少年の意思に反して里原に二羽のヒナ軍鶏と交換してしまうのです。「アカ」は強すぎるので、相手の軍鶏にハンディをつけるために(カミソリの刃を取り付けて)大金賭けてを闘鶏を行うのですが、さすがの「アカ」もそれには勝てずに負けてしまうのです。負けた「アカ」を少年の父親に「持って帰れ」と里原は言う訳です。父親は「砂に埋めてやれ」と言って少年に投げ渡すのですが。この時の少年の悲惨な心理が見事に表現されていますね。少年は農機具に使うガソリンを瓶に入れて里原の家に行って火をつけて火事に。その時の火柱が「アカ」の羽の色に見えて「美しかった」と少年は溜飲を下げるのですが、これも見事ですよね。九州芸術祭に応募しょうとしている人はこの目取真さんの作品を参考にするといいですね。「軍鶏」は「文學界」に掲載された作品だそうですが、「水滴」がなければこれも芥川賞作品でしょうね。羨ましいです。