井本元義さんから単行本「ルーアンの復讐」をいただきました。ご承知のように「ルーアンの復讐」は第19回のまほろば賞を受賞した作品です。同人誌「海」でも読みましたが「文芸思潮」では更に書き加えて見事な作品に仕上がって感動しました。井本さんのこれまでの作品では最高ですね。単行本には「ルーアンの復讐」の他には「暴走の海昏ければ」と「千の夕焼け」(いずれも「海」に初出)と「菜の花」(文芸福岡)が掲載されています。「千の夕焼け」もいいですね。「菜の花」は井本さんが「新潮新人賞候補」になった後のことを書かれています。井本さんのその頃の活動情況を知ることができます。仕事の関係から彼も一時書くことを中断していたのですよね。小生もそうでしたが仕事と書きことはなかなか両立しませんよね。特に彼は医療関係の会社の社長でしたから小生のような普通のサラリーマンとは少しちがいますよね。70歳過ぎてから再び筆を執ったらしいですからよく頑張ったっですね。特に文章がいいですね。中断していたとは思えないくらい重く光っています。井本作品には会話が少ないですよね。近作ではまったくない作品もありました。会話を少し取り入れればもっと柔らかくなるような気がします(文章がやや硬いかな?)。でも、丸山健二は丸山健二文学賞を募集した時、会話の入った作品はそこで落選だ、と書いていたことがありましたから会話を求めるのもよしあしかな? 小生は会話があった方がいいと思っていますが、皆さんのご意見はどうなのかなあ・・・・?
(文芸社発行 定価1,800円+消費税)