久しぶりに同人の方から「詩と眞實」922号を拝受しました。月刊でよく頑張っておられますね。
小説は「「ネクタイ」(宮川行志さん)と「解発因」(右田洋一郎さん)の二作。「ネクタイ」は90歳になる老人の日常が思い出と同時に描かれていて面白かったです。やがて小生も長生きすればそうなるのだろうなと思うと、たまらなく胸を突かれました。杖を突きながらよたよたと歩く主人公と自分が重なって、あ~人生とはそんなものであろうかな、と。
随筆の「「書く気持ち 一九七〇年のこと」(井本元義さん)は若い頃に書き始めてある新人賞の候補になったがそれ以上進めず、仕事に精力を使い果たし、やっと七十近くになって再び書き始め、このたび「まほろが賞」をもらうところまでの苦闘が綴られています。彼は何年か前にもにも「まほろば賞」をもらっているのです。才能があったのですね。その間のブランクは大きかったでしょうね。もっとも作家になれるという保証があったらとことん書けたでしょうけど、今は作家一本では食べて行くことは困難ですからね。佐木隆三さんみたいに新聞配達までやって凌いで行くバイタリティーがあれば別ですけど、普通に考えるとちょっとヤバイことになりそうですよね。気持ちは解ります。趣味で書いていた方が無難かも、と小生は思います。まあ定年してからのアソビかな、文学は。
同じく随筆の「アート私考」(岬龍子さん)もキリリと引き締まった文章書いています。「志向」ではなく「私考」なのがミソですよね(笑)。