「九州芸術祭文学賞」作品集を読む - hazanyosi
2025/04/12 (Sat) 13:28:44
第55回「九州芸術祭文学賞作品集」を読みました。当選作は長崎県のきのみやはるさんの「雨粒のゆくえ」でしたが、こんなのが受賞作になるのだろうかと正直疑問に思いました。同性愛(女)で同棲している「私」が「優花ちゃん」との日常描写。優花ちゃんが陰毛を脱毛したという小劇的なところから始まり、自分もどうしょうかと悩みながら日常を送っている心境が吐露され、それと並行して同性愛をしていることを親にはスムーズに報告することができたが、入院しているおばあちゃんにどう報告すればいいのだろうとこれまた悩みながら同棲を続けるというただそれだけのこと。え? これが芸術祭の文学賞? と不満が突き上げてきました。佳作の「ヒアカスミズザサン」(豊島浩一さん)も日記形式で家庭菜園の合間の日常が淡々と綴られているだけ。これで最終選考委員は納得したのだろうかと、もう一度読み直す気にもなりませんでした。目取真俊の「水滴」や箒木蓬生さんの「頭蓋に立つ旗」や岩森道子さんの「雪迎え」のようなレベルを期待していたのですが、これでは北九州代表の「はらぺこな満足感」(相良信樹さん)の方がまだ重みがあったと思うのですが、「植民地主義的な書き方」という痛烈な批判を浴びたそうです。どこがそうなのか、小生には納得がいきません。だって若者が男女関係をいともたやすく結ぶのはどこの国でも同じじゃないですか。カネで肉体関係を結ぶこともあるじゃないですか。その相手がフィリピンの女性だったということで植民地主義的な書き方? なんか分からないです。小生が最終選考委員だったら今回は「受賞作なし」佳作に「はらぺこな満足感」ですな。何か・・?