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「長崎文学」拝受 - hazanyosi
2025/04/02 (Wed) 10:33:36
「長崎文学」第107号を拝受しました。主催者の野沢薫子さんが昨秋お亡くなりになって、「長崎文学」は今号でもって終刊になるそうです。なんか寂しいですね。同人の高齢化もあって後を継ぐ人もいないのでしょうね。時間をおいてまた若い人たちが立ち上がって第二期「長崎文学」を創刊されることを祈りたいです。
今号は「野沢薫子氏への追悼エッセー」が編まれています。小説は松尾律子さんの「干し柿」が寄せられています。いきなり「母が死んだ。・・・・」と書き出して、思わずカミュ―の作品を思い出しました。内容的には平板ですがなかなかの書き手だと思います。女性らしく細かい描写がいいですね。平板ですが通常のレベルの作品にはなっていて読めます。
それにしても終刊とは寂しいですな。咲き誇っていた花びらが散るような寂しさを感じます。
「文芸思潮」 - hazanyosi
2025/03/30 (Sun) 21:32:35
「文芸思潮」第95号が発売になりました。今号では銀華文学賞の奨励賞の5編が掲載されていますが、これと言った作品には出会いませんでした。感性の問題でしょうか、琴線に触れる作品ないですね。最近はどうも中間小説になっているような気がします。達者な作品が多いのですが、下手でもいい、心に響く作品が読みたいのですけど、傾向が変ったように思うのは小生だけでしょうか。下読みの段階でおかしくなったように感じます。以前は選考委員の方が下読みから全部読まれていたように聞きましたけど、そうも行かなくなったのでしょうね。奨励賞ですからもっと将来に脈がある作品が選ばれていると思ったのですけど・・・。
全国同人雑誌評(南崎理沙さん)では「絵合せ」10号が取り上げられていました。後藤克之さんの「巻頭言葉特集」と末次鎮衣さんの「マッチ箱のような世界」に言及されています。末次さんのはかなり念入りに評されています。末次さんの作品がこうして紹介されるのはおろらく初めてではないでしょうかね。これを機会にもっともっと書いて欲しいですね。体温の低い作品ですけど文章に乱れはないですよね。人間をもう少し深く掘り下げて行けばまだまだいけるのではないかと思いますよ。
「アビラ」拝受 - hazanyosi
2025/03/27 (Thu) 20:43:28
詩誌「アビラ」21号を拝受しました。これは宮崎県の後藤光治さんの個人詩誌です。詩は門外漢なのですが、彼の詩には小説と繋がるところがあるのです。何年か前に「龍舌蘭」で彼の作品を目にして、そのイメージから捜索を発表したことがあるのですが、彼の選び抜かれた言葉には小生の創作意欲となぜか結びつくことがあるのですね。そのことを本人に伝えたことからこうして贈呈してくれることになりました。誌には詩の他に随想も掲載されています。これが結構面白いのです。今号はファーブルの「昆虫記」について読み解かれていて大いに勉強になりました。「聖たまこがね」(フンコロガシ)の生態についての章が特に面白かったです。なるほど、聖たまこがね」がフンコロガシをするのには理由があるのですね。アソビでやっているのかと思っていましたら大間違いでした(笑)。
「季刊遠近」拝受 - hazanyosi
2025/03/22 (Sat) 21:08:04
「季刊遠近」第89号を拝受しました。有難うございました。小説では「僕は幸せになるんだ」(逆井三三さん)は型破りな面白さがありました。セックスのことでもズケズケと書かれていますが、いやらしさはありません。そう若くもない人のようですが、多少若作りしているのかな?コンビニのアルバイト店員がネットで検索した「レンタル彼女」との交遊記なのですがいつのまにか結婚にまでたどり着くというハナシ。ややリアリティーに欠けるけれどもそういう人生もあるんだなと思い知らされました。お笑いコントのような、それでいて何か心に響くものがあるんですよね。書いた本人も結構楽しんで書いているのかな?
浅利勝照さんの「若松行き」はどこの若松かなと思っていたら北九州の若松が舞台でしたので興味を持って読みました。作者は横浜の方ですよね。大学の教授だった「私」が嫌がらせを受けた上司(学長)の葬儀に同僚と出席した顛末記ですな。上司の死に顔をとくと見届けて自分を慰撫するような内容。若松の状景が活写されていました。火野葦平さんのことが少しぐらい出てきてもよかったかな、と思いました。石炭や町の歴史も調べられたようですのでついでに・・・。
「サンゾー書評」が始まりましたね。一言でいうと辛口の同人誌評みたいです。逆井三三さん(編集長)の歯に衣を着せぬ批評が面白い。期待します。

後藤さん、惜しかった! - hazanyosi
2025/03/18 (Tue) 20:33:26
第23回「江古田文学賞」の発表があり、後藤克之さんが「日めくり」で最終選考の3編に残ったが惜しくも該当作なしの結果に終わり、残念でした。選考委員の一人である楊逸さん(芥川賞作家)の選評を借ります。
<「日めくり」は「彼」が語る「妻」そして「二人の娘」との家族物語である。日常のエピソードは時間軸に沿って「日めくり」のように展開され、間に時々関係のない「妄想」か「回想?」かが挿し込まれる。「檸檬色の星」「赤色の星」「青白色の星」とそれぞれに纒わる物語を構築して「メタフィクションを目指すのかと思わせる工夫もあるが、なにせ主軸に絡ませること無く最後まで浮いたままだった。「真意」が読み取れなかったのは私だけではなかったようだ>ですって。あと一歩ですね。他の選考委員もほぼ楊逸さんと同じでした。次回を期待します!


Re: 後藤さん、惜しかった! - ごとう
2025/03/20 (Thu) 15:44:46
ご紹介、ありがとうございます。
「江古田文学賞」最終まで残ることができ、ありがたく思っています。
これからも地道に書き続けていきたいと思います。
「あかきの」拝受 - hazanyosi
2025/03/13 (Thu) 10:44:35
山口県宇部市で発行されている「あかきの」第11号を拝受しました。シンプルな同人誌です。
知り合いの木澤千さんが二作発表されています。と言っても一作(一枚の絵)は第七期「九州文学」に発表された作品の転載です。東北地震を背景に、持ち主不明の一枚の絵から物語が展開されるミステリー仕込みの掌編です。上手いですね。
今度の新作は「おとうと」というタイトルで、これはおそらく実話でありましょうか。七十歳を過ぎた弟さんがアルツハイマー症になって周囲に心配と異変を感じさせる他人事ではないハナシでリアリティーを感じます。小生も時々そんなになった時のことを想像してドキリとすることがあります。「おとうと」は兄の視点で描かれていてやるせない気持ちにさせられます。小生にもたった一人の弟がいたのですが、白血病で67歳の時に他界しました。その時の悲しみとはまた違った悲しみがここでは吐露されています。素材としては目新しいものではないけれど、人間の生を細かく観察して鮮やかに浮き彫りにした佳作です。
野村英昭さんの「白血病・患者会と私の30年」も胸に迫るものがありました。

「あかきの」お求めは090-8248-9972 野村さんまで
 一部700円(税込)+送料(3冊まで~210円)



「照葉樹」拝受 - hazanyosi
2025/03/11 (Tue) 21:00:48
「照葉樹」第27号を拝受しました。
巻頭に次のような詩?がありました。

「そこに足跡がみえる
 あちらこちらから声がする
 なぜ、なぜ姿だけが無いの?
 温もりの重さだけ・・・」

作者もいませんが、何かの、例えば地震、大津波、火事、殺人・・・災害や事件等がその言葉の裏側に連想されます。確かに今、災害や事件が多いですよね。言葉って読む者によってはその重さを感じさせるのですね。
小説では水木怜さんの「幸せのパズル3」が面白かったです。シニア世代のユートピアを描いているように感じました。いいですね、そういう生きがいのある人生を送れる人は幸せですよ。この作品は連作でまだまだ続きがあるのでしょうね。電台のシニアは孤独ですよね。シニア同志の連帯って意義ありますよ。そういうことを政策にした政党はないかな?
ありがとうございました。

アトモスフィアー - hazanyosi
2025/02/27 (Thu) 16:12:50
アトモスフィアーって言葉を初めてしりました(恥)。
大仰なドラマツルギーを排して淡々とした一瞬、ないしは、一時期の心の揺れを描き込むことで、そこに具体的に描かれていないものを透かして見せようとする企みだそうですね。気配の向こう側にあるものを見せようとする目だとか。短編小説の可能性を最も発揮できる技法であるが、そこで必要とされるものはまず文章力であり、「いかに書かないでおくか」という筆さばきである(宮本輝)ーそうなのですね。丹羽文雄がいうところの「読者の参加」と同じことかな?書かないところを読者に補わせるように、つまり「当てこすり」のうようなことですかいの。どちらかというと小生はドラマツルギー型。書き込み過ぎるのかな?その辺のテクニック、分かってはいるけどなあ・・・。今、「北日本文学賞作品集」を読んでいて何となくわかるような気がします。
失敗 - hazanyosi
2025/02/26 (Wed) 10:54:19
ヘンな記事が貼り付けられましたのでその一つを削除するつもりで操作していましたら誤って直近の分をまとめて削除してしまいました。バックアップしていなかったので元に戻りません。悪しからず・・・(悔)。
「季刊午前」拝受 - hazanyosi
2024/10/25 (Fri) 20:55:02
「季刊午前」第64号を」拝受しました。
今号は潮田征一郎さんの追悼が編まれています。
潮田さんとはいろいろと勉強させてもらったことがありました。彼の小説はあまり読んだことはありません。講釈だけはよく聞かされていましたので、小説(作品)を書いてから言って下さいよ、と飲み会の時に言葉をぶっつけたことがありました。うんうん、とその時は頷いて下さっていましたが、なかなか書いてはくれませんでした。何号の時だったか覚えていませんが、「青いオーバーコート」という掌編を発表されてことがありました。これは随筆に近い物でしたが、いい作品でしたよ。内容までははっきりとは覚えていませんが、ハガキに感想を書いて送ったことは覚えています。小生からハガキが来たことを西田宣子さんにも伝えていたらしく、西田さんの追悼文の中に潮田さんから届いた手紙が紹介されていまして、その中に小生のことに触れた文面がありました。小生のアテにならない感想でも嬉しかったのでしょうね。以後は年賀状を交換するくらいの付き合いでしたが、若輩の小生をよく励まして下さっていました。ああ、良い方でした。まだまだ話したいことがあったのですが、残念です。「青いオーバーコート」の後の作品も読みたかったのに・・・。改めてご冥福をお祈りします。