FC2BBS

23678
「長崎文学」拝受 - hazanyosi
2024/04/27 (Sat) 11:21:49
「長崎文学」第105号を拝受しました。よく頑張られています。同人2人、賛助会員6人での継続。常連の野沢薫子さんは今号はお休み。小説は短いのが4編ですけど、それぞれ「帯に短し襷に長し」ってところでしょうか。それでも継続は力なり。頑張って下さい。
「季刊午前」拝受 - hazanyosi
2024/04/17 (Wed) 21:55:21
「季刊午前」第63号を拝受しました。
吉貝甚蔵さんの評論「小説が『私』を描くとき」が素晴らしいですね。「私小説私論」ということですが、「私小説」ってほんとうにあるのでしょうか? 
「私」のことを書いているようでも「私」ではないのですよね。実作者の立場からいうともう一人の別の「私」なんです。自分史だってそうだと思いますよ。そのまんま「私」が書けます? 小生は随分前に自分史の講座を持たされたことがあったのです。で、自分史とは何か、を考えてみたのでしたが、自分をそのまんま表現するということの難しさをつくづ感じさせられました。自分を裸にするということは難しいですよ。受講生方にも書いてもらったのですが、自分史ならぬ「自慢史」が多かったですよ。どうしても自分を美化しょうとする気持が働くのですよね。「私小説」も同じようなことが考えられると思うのです。脚色は避けられないと思うのですが、いかがなもでしょうか。
小生も自分のことはこれまでの作品に書いていますが
自分のことを書いたつもりでも自分ではないのですよね。別の自分に脚色されていて、まあそれが小説といえば小説でしょうけれども「私小説」とは言い難いですね。その辺はどうだっていいのですけど、区分けしたがる輩も多いのですよね。まあしかし、そういう読み方もあるのだということも知って、逆に感心しました。文芸評論としてh面白いし、労作ですね。
小説では中川由記子さんの「笑え笑えと猫が言う」が軽い茶話作品だけど楽しく読めました。西田宣子さんの「ビオラの挑戦」もよかったですね。この人の作品は安定していますね。同じ作者は「嵐のあとで」というエッセイも書いていました。これはコロナ奮戦記ですね。今は余り騒がなくなりましたが、やはり酷かったのですね。作者は夫婦で罹患したそうです。下火になったとは言え、まだまだ安心はできませね。リアリティーがありました。
かつて同人の潮田征一郎さんがお亡くなりになったことが報じられていました。小生も年賀状でお付き合いをさせていただいていました。ご冥福をお祈りします。
「正義の行方」読む - hazanyosi
2024/04/14 (Sun) 11:14:18
「正義の行方」(木寺一孝著)を読みました。これは福岡・飯塚市で2女児が拉致され、山中に遺体が遺棄された「飯塚事件」と言われた三十年前の事件。犯人とされた久間三千年は本当に犯人なのか? 最後まで自白もなく、状況証拠とされるものだけで逮捕、裁判は終わり、死刑判決後わずか2年後に処刑されています。これが西日本新聞で連載された頃から小生も冤罪じゃないかという気がして関心をもっていました。
この本を読んでも矛盾だらけ。久間という男を強引に犯人に結び付けて事件を終わらせたい何かが動いていたとしか思えないものを感じます。
この時の福岡県警捜査一課長の山方泰輔という人物は小生の知り合いです。で言うか、中学生の頃の小生より三つ先輩なんです。彼も走っていましたので、先輩としてよく中学校のグランドに出向いて来てくれていました。夏休みには夕方遅くまで伴走してくれいろいろご指導いただいたものでした。高校は小生とは違っていましたが彼が福岡県警に入られたことは知っていました。が、まさか課長にまで出世されるとは(失礼ながら)思いもしませんでした。普通ですととても課長どころか係長にもなれていない、とは同僚の話。よほど何か功績が彼を出世に導いたのでしょうか。
それはともかくとして、どうも彼の功績?がこの飯塚事件もデッチ上げたような気がしてならないのです。この本を読んでも彼の言動が気になりました。すでに定年しているのですが、もしも冤罪になったら彼の捜査活動は問題にされることでしょう。これは単なる小生の一個人としての呟きです。何の証拠がある訳ではありません。再審請求に向けて弁護団は準備中のようですが、死刑執行後の再審はこれまでにないそうですね。むつかしいと言うことですが、正義はいくつもある訳ではありませんよね。正義は一つ。松本清張さんが生きていたらこの正義の行方を深く追及してくれただろうに、と嘆いています。(もちろん小生自身の筆力のなさを嘆いた上のことです)
飯塚事件、とにかく疑惑の多さが目立ちます。にも拘わらず判決後2年で処刑ということに驚きます。怖いですね。真犯人がもしいるとしたら、どんな心境でしょうね。そしてどんな人間なんでしょうか。こちらも気になります。見守ってゆきたいと思います。




「詩と眞實」拝受 - hazanyosi
2024/04/12 (Fri) 13:47:50
「詩と眞實」900号記念を拝受しました。900号とは凄いですね。昭和23年創刊、ほぼ毎月発行ですからやっぱり凄い!
今号は特集号となって230ページに渡って作品が編まれています。小説は30枚以内の短編が16編寄せられています。どの作品もそれぞれ個性があって面白ったです。
中でも「鹿の瞳」(吉井恵瑠子さん)、「兵隊さんよ  ありがとう」(宮川行志さん)、「初夢」(出町子さん)「為さん」(岬龍子さん)の作品に目を奪われました。この他にも斎藤てるさん、吉田真枝さん、木下恵美子さん、井本元義さん・・・小生の記憶に残っている方々のお名前、久し振りですがやはり力を感じますね。
これから100号に向けて精進されんことをお祈りします。



詩誌「アビラ」拝受 - hazanyosi
2024/03/30 (Sat) 20:43:12
詩誌「アビラ」17号を宮崎県の後藤広治さんよりいただきました。小生は詩については門外漢なのですが、この方の「納戸」という詩を「龍舌蘭」で目にし、「納戸」というタイトルで小説を構想していたのです。そのことで「龍舌蘭」のある人にハガキを出していたら作者の後藤さんに通じたのでした。「納戸」という共通点というか小説と詩の違いはあってもイメージがピッタリだったのです。何かのご縁でしょうね。
小説「納戸」は50枚で書き上げました。これは「海」の「招待席」で7月に載せていただけるようになりました。陰鬱な作品です。後藤広治さんにも送ってやりたいと思っています。会ったことも話したこともない方ですが、ひょんなことで知り合いになるのですね。
柴田翔「地蔵千年、花百年」を読了 - hazanyosi
2024/03/27 (Wed) 22:04:38
タイトルちょっと変わっていますね。これは「日本のうた補遺」から拝借したとか。「地蔵千年、花百年、あの子、流れてはや万年・・・・」と続くのだそうです。570枚の大作です。内容も素晴らしいです。どう素晴らしいか、一言では言えません。純文学でこれほど濃密に書ける人は大江健三郎くらいかな?
この作品の中にこういう文章が出てきます。「神は永遠です。しかし人間は時間の中で生まれ、時間の中で生き、時間の中で死んで、しかる後に神の永遠へ無名の魂となって迎えられる・・・」なんか人生をその言葉に凝縮したような感じがするのです。小生は無神論者ですが、神はこの世に存在するのではないかと本気で思ったことでした。いや、思わざるを得ませんでした。素晴らしいです。「されどわれらが日々」では余り感動しませんでしたが、「地蔵千年ーーー」はすっかり感動させられました。文体もいいですね。惚れ惚れとします。
訃報「中尾さん」 - hazanyosi
2024/03/25 (Mon) 10:05:09
最近、訃報が相次ぎます。
「九州作家」主宰の中尾三郎さんが亡くなられていました。入院されていたのは知っていましたが、まさかまさか・・・。高校時代はボクシングもやっておられたとか聞いていまして、健康そのものに見えていたのですが。
すでに近しい方たちで葬儀も終わっていました。
「九州作家」には小生も書かせてもらったことがありますし、個人的にもお世話になったこともあります。
82歳だったと思います。そういえば八田さんが82歳でした。玉井史太郎さんが83歳でしたね。そろそろ小生もそれに近付いてきました。人間長生きしたところでいつかはね・・・。
慎んでお悔やみ申し上げます。合掌
「あかきの」拝受 - hazanyosi
2024/03/05 (Tue) 20:30:17
山口県宇部市で発行されている「あかきの」第9号を拝受しました。木澤千さんの掌編連作「ひぐらし亭」はいつも面白く読ませていただいています。今回は6回目ですね。「勘違い」は落語のような思わず微笑みたくなるような軽妙さがうまいなあと感じます。私小説としても読めるけれど随筆としても読めますね。リアリティーを感じます。古本屋「ひぐらし亭」は繁盛しているようですね。こういう仕事は本に囲まれ、本好きな人と面談もでき、定年もなく楽しいでしょうね。ありがとうございました。


「照葉樹」拝受 - hazanyosi
2024/03/01 (Fri) 21:18:23
福岡市博多区で発行されている第二期「照葉樹」第25号を水木怜さんより拝受しました。
本誌には小説5編が5編とも連作ないし連載です。こういうのも珍しいですね。でも、半年ごとの発行ですから個人的な読者としては読み切りにしてもらった方がありがたいですな。特に連載はちょっと・・・!
「幸せのパズル・1」(水木怜さん)は老人仲間の日常を面白く描いていて楽しく読めました。これは連作でしょうね。たぶん出てくる人物は同じで場面が変るだけでしょうか? テレビでヨシモトの演劇を観ているような肩の凝らない作品です。他は申し訳ないけど省略させていただきます。

訃報「舟越さん」 - hazanyosi
2024/02/27 (Tue) 10:36:41
第七期「九州文学」でお世話になった舟越節さんがお亡くなり生りました。本葬は明日(28日)12時です。
舟越さんとは八幡時代からお付き合いさせてもらっていました。その頃はテレビTNC局がまだ八幡の本町にありました。舟越さんはテレビ局で働きながら劇団の監督をなさっていました。その劇団(真珠座)はTNCが福岡に移ると同時に消滅してしまいましたが、団員に舞台の厳しい稽古指導されていた光景は強く印象に残っています。
第七期「九州文学」にはテレビ局で取材されたものを「霊視の刻」と題して発表されました。これはテレビでも放映されたものですが、新聞文芸欄でも高く評価されていましたね。霊をテーマにしたウソのような本当の話を映像や文字で表現したものです。(この作品の後何か発表なさったかな?) たぶん、これが遺作です。 
「霊視の刻」は単行本でも出版されています。出版祝賀会には小生ら同人も十人ほど招待されて盛会だったことを改めて今思い出しています。(その本はもらっているはずなのにどこにしまったものか・・・)
九十三歳ですから老衰でしょうね。晩年は車椅子の生活でした。「いくつまで生きることができるかカケです」と今年の年賀状には書かれていました。「もう一回お目にかかりたい」とも。ああ~残念(涙)・・また一人消えて行かれました。これが人生ですね。
舟越節さんのご冥福をお祈りしますと共に謹んでお知らせいたします。合掌